2014.02.24

首位奪取!レアル指揮官アンチェロッティのマネジメント術

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】素顔のカルロ・アンチェロッティ(1)

「私の権力はかなりのものだよ」。レアル・マドリードの監督カルロ・アンチェロッティはそう言って、にやりと笑う。「トレーニングを始める時間も好きに決められる。朝の6時からも始められるし、夜の11時にもできる! でも私は、自分のやり方を押しつけるようなことはしない。選手たちに今やっていることの意味を理解してもらいたいんだ。そっちのほうが時間がかかるのだけど」

 アンチェロッティと僕は、レアルの彼のオフィスにいる。マドリードの北の郊外に造られた新しいトレーニング施設の一角だ。アンチェロッティの太めの体は、明るいブルーを使ったレアルの練習着からはみ出しそうだ。

カルロ・アンチェロッティ(左)とアシスタントコーチのジダン(photo by Getty Images) アンチェロッティはたばこを吸っている。前に率いていたクラブのように、会長が部屋に突然入ってきて、喫煙をとがめられることなどありえないと思っている。レアルの会長フロレンティーノ・ペレスは、たいてい彼を放っておいてくれる。

 イタリア人のアンチェロッティがスペインにやって来たのは去年の夏。ACミラン、チェルシー、パリ・サンジェルマン、そしてレアル。仕事をする国は5年間で4つ目になった。

 ジョゼ・モウリーニョやアーセン・ベンゲルといった同業者に比べると目立たない存在かもしれないが、アンチェロッティはフットボール界で最も大きな賞をいくつも手にしてきた。彼が今果たすべき使命はチャンピオンズリーグで史上最多となる10個目のトロフィーをレアルにもたらすことだ。