本田圭佑がバロテッリの「いたずら」の標的になった

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り(5)

 ナポリに3-1で完敗して、ミランは楽しい週末を迎えることができなかった。しかし本田圭佑にとってはさらに厳しい週末だったろう。彼は胃腸炎でチームと共にナポリ遠征もできず、一人ミラノに残っていた。毎日の練習をこなしていくうちに、指摘されていたフィジカルコンディションもかなり良くなってきた矢先なだけに残念でならない。

 この試合に彼が出ていたらサポーターやチームの期待に応えられる活躍がきっとできていたはずである。しかし済んだことを嘆いても仕方ない。本田には一日も早く良くなってピッチに戻ってきて欲しい。
 
新加入のMFアデル・ターラブ(左)と練習する本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)新加入のMFアデル・ターラブ(左)と練習する本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 本田は本格的にチームに溶け込んできている。先日ミラネッロでチーム全体の集合写真の撮影が行なわれた。選手が入れ代わるので、チーム写真撮りは通常シーズン開幕直前と冬のメルカート終了後の年2回、行なわれる。この日の撮影風景は、見ている者も思わず笑顔になってしまうような、そんな楽しいものだった。練習や試合ではいつも真剣な表情の選手たちも、リラックスして仲間同士でふざけ合っていた。

 中でも本田はマリオ・バロテッリの"いたずら"の標的だった。撮影用に並んだ時、バロテッリは本田の後頭部を叩き、本田が振り向くとGKのアメリアの後ろに隠れて素知らぬ顔をしている。本田が前を向くと、マリオはまた手を伸ばして本田の頭を叩く。ふりむく本田。アメリアは、自分は何もしていないと肩をすくめる。たわいもない冗談だが、何度もやるうちに仲間内からは笑い声がこぼれ、本田自身も最後は笑っていた。

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