デビュー戦でゴール!大迫勇也がドイツ2部に来た理由

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by GettyImages

「もっともっと成長できるな、と。成長したいと思うし、もっともっと上に行きたいなと思います」

 もっともっと成長できる。その言葉を大迫勇也はデュッセルドルフ戦後、何度も繰り返した。W杯を半年後に控え、ドイツ2部という舞台に挑戦の場を移した大迫はその初戦で何を感じ取ったのだろうか。

ドイツ移籍初戦、デュッセルドルフ戦で先制ゴールを決めた大迫勇也(1860ミュンヘン)ドイツ移籍初戦、デュッセルドルフ戦で先制ゴールを決めた大迫勇也(1860ミュンヘン) 先発フル出場で1ゴール。その結果だけを見れば大迫のデビューは上々だったと言うことができるだろう。結果的に引き分け(1-1)に終わってしまったとはいえ、勝ち点1の獲得には貢献した。だが、この日の大迫の出来自体が良かったかと問われれば、素直に首を縦に振ることはできない。

 1860ミュンヘンの攻撃は、ロングボールと前線の選手の個人技を頼みにするところが大きく、攻撃力は決して高いとは言えない。それは19試合で18ゴールという中断期間までのチーム成績を見ても明らかで、だからこそチームは大迫を獲得した。もちろん得点を奪うことが最重要任務だが、ゴール前で待っていれば大迫の元に良いボールが送られてくるということはほとんど考えられず、大迫には前線でボールを引き出してチーム全体が押し上げるのを助ける役割も求められていたはずだった。

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