バルセロナの12歳・久保建英に今必要なこと
現在、バルセロナの「インファンティルカテゴリー」(13~14歳)でプレイしている久保建英(たけふさ)くん(12歳)の注目度が、日本国内で上昇している。
なんといっても、2020年オリンピックの開催地が東京に決まり、各スポーツのプロレベルを目指している現在の小学校高学年から中高生までの世代が"東京五輪世代"として一躍脚光を浴びていることが理由のひとつだろう。世界屈指のサッカークラブ、バルセロナですでにその実力を認められている久保くんが、スター候補扱いされるのは、当然の流れともいえる。
現在12歳。バルセロナの下部組織で成長を続ける久保建英 久保くんが所属する「ラ・マシア」と呼ばれるバルセロナのユース組織、選手寮及び育成システムが形成されたのは、1979年。78年に監督を辞めたマリヌス・ミチェルズが、バルサの育成システムの種を植え付け、10年後の1988年、その種を引き継いだヨハン・クライフが、周囲の反対を押し切って育成組織を構築し、現在のマシアの原型を作った。
育成組織立ち上げから35年。久保くんが世界最高峰の選手を生み出すと言われるこの組織に認められてマシアで成長を続けているが、日本人が受け入れられるには、それだけの時間が必要だったということだろう。
そして今、久保くんはバルセロナで伸び伸びとプレイしている。毎週末のリーグ戦をホーム&アウェーで戦い、文化、社会と深く結びついているスペインサッカーにもまれながら、スポーツと勉強に勤しんでいる。
最近、このバルサユースに息子が選抜されたスペイン人のお母さんが「何がいいってね」と笑顔で、しかし、真剣なトーンでこう話し出した。
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