強いインテルが戻ってきた?牽引する両翼、ジョナタンと長友佑都 (3ページ目)

  • 内海浩子●文 text by Uciuimi Hiroko
  • photo by Maurizio Borsari/AFLO

 マッザーリが率いた昨季のナポリも、シーズンを通してケガを理由に欠場したのは10人に満たなかったし、再発者もいなかった。一方、昨季のインテルは36選手のほぼ全員にドクターストップがかかった。しかも接触プレイによって壊れたというよりも筋肉系の故障者が多かった。

 コンディションを作っているのは、新任フィジカルコーチのジュゼッペ・ポンドレッリ。マッザーリがボローニャのプリマベーラ(ユース)で監督として独り立ちして2年目となる2000~2001シーズンから歩みを共にするスタッフで、最重要視するのが「エネルギーの回復」だ。フロントや選手たちは彼の手腕にも大きな期待を寄せている。

 こうして書いていくとインテルは順風満帆のようだが、カンビアッソの言葉を借りれば「まだはじめの一歩」である。ユーベ戦では、点を獲りにいって駒をいじると、そこからゴールは獲れたが、失点もした。その後は逆転されそうなるなどまだ脆さがあり、最後まで安定感のあったユーベとのチーム完成度の差を露呈してしまった(結果は1-1のドロー)。

 インテルが大きなてこ入れをすることなく上位につけているのは、ポジティブな意味での“サプライズ”だ。これほど早くマッザーリのサッカーが浸透すると考えていた人は少なかった。しかし、ともかくまだ“驚き”なのだ。これが“当たり前”になったとき、初めて強いインテルが帰って来たと言えるのである。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る