強いインテルが戻ってきた?牽引する両翼、ジョナタンと長友佑都

  • 内海浩子●文 text by Uciuimi Hiroko
  • photo by Maurizio Borsari/AFLO

「2年前のユベントスを彷彿させる」とブッフォンが言うように、イタリアでは今季のインテルの中に、低迷から華々しく蘇(よみがえ)った2シーズン前のユーベを見る向きがある。

 その時のユーベ同様、インテルも悪夢の2年間を経て迎えたシーズンであること、信念と勝利への貪欲さが人一倍強い新監督を迎えたこと、欧州カップ戦の舞台がないおかげでチーム作りと選手のコンディション調整の時間が与えられていること、復活を予感させるスタートを切っていること(当時のユーベも今季のインテルも開幕から3試合で2勝1分)......などが理由に挙げられる。

ユベントス戦に先発フル出場した長友佑都(インテル)ユベントス戦に先発フル出場した長友佑都(インテル) とはいえ、実際のところ両チームにはかなりの違いがある。当時のユーベが補強として獲得したピルロ、ブチニッチ、ビダル、リヒトシュタイナーは、新チームの根幹となる即戦力として期待された。だが今季のインテルにおける補強は"将来への投資"。事実、第3節のユベントス戦のスタメンに名を連ねた新戦力はDFカンパニャーロ(彼はマッザーリ監督と昨季までナポリで一緒だった)ただ一人だった。

 インテルの移籍市場展開に懐疑的な声は、特に然るべき選手が補強されなかった両サイドに向けられた。噂になったイスラ(ユベントス)、コラロフ(マンチェスター・シティ)、ズニーガ(ナポリ)はやって来なかった。サイドを攻守の重要な要のひとつに置くことで知られるマッザーリに与えるワイドの選手が、昨季ボロボロだったジョナタンや故障で伸び悩んだ長友佑都でいいのか?

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