熾烈すぎる南米予選。日本に圧勝したウルグアイが敗退? (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by AFLO

 一方、DF陣の駒も充実している。サイドバックでは左右どちらでも対応できるナポリのスニガが強烈な推進力でサイド攻撃の起点となり、センターバックはベテランのジェペス(アタランタ/イタリア)やぺレア(クルス・アスル/メキシコ)が統率。また、アジリティの高い守護神オスピナ(ニース/フランス)も、今予選最少失点を誇る強固な守備力のキーマンだ。

 これだけのタレントたちをペケルマンが率いているのだから、現在の順位もうなずけるというもの。コロンビアは10月11日に3位のチリと、15日には最下位に低迷するパラグアイと対戦するが、仮にチリに勝利すれば、その時点で本大会出場が決定する運びだ。

 逆に、予想外に苦しんでいるのが、現在プレイオフのボーダーライン上に位置するウルグアイだ。前回の南アフリカ大会ではベスト4の成績を残し、今年8月に宮城で行なわれたフレンドリーマッチでは、ディエゴ・フォルランの2得点を含む4ゴールで日本を撃沈。日本代表サポーターを沈黙させたばかりの強豪ウルグアイだが、カバーニ、スアレス、フォルランらアタック陣に屈指のタレントを抱えているにもかかわらず、今予選ではアウェーで勝ち点を重ねられず、崖っぷちに立たされている。

 そのウルグアイは最終節(10月15日)にアルゼンチン戦を残しているだけに、次節10月11日のエクアドルとの直接対決が最大の山場となるだろう。問題は、ウルグアイが苦手としているアウェー戦であるということと、エクアドルが高地キトでのホーム戦で、負けなしの強さを誇っていることだ。

 ウルグアイの背後には、悲願のW杯初出場を狙うベネズエラが6位に控えているだけに、仮にウルグアイが2連敗となると、ヨルダンとの大陸間プレイオフ出場権さえも逃す事態となってしまう。圧倒的な破壊力で日本を粉砕したウルグアイでさえも、敗退してしまうのか――。この状況こそ、南米予選の厳しさを象徴している。

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