インテル体制変革へ。「全選手に放出の可能性あり」で長友佑都は? (3ページ目)

  • ティツィアーナ・カイラーティ●文 text by Tiziana Cairati
  • 内海浩子●翻訳 translation by Uchiumi Hiroko

 クラブ事情を把握している新監督のマッザーリは、ここまでのところは移籍市場に満足している。だが、彼がやろうとしている3-5-2(または3-5-1-1)にマッチする選手が、さらに戦力として加わるのを待ち望んでいる。チリ代表マウリシオ・イスラ(ユベントス)、ベルギー代表ラジャ・ナインゴラン(カリアリ)、アルジェリア代表サフィル・タイデル(ボローニャ)、ブラジル人MFウェリントン(サンパウロ)らだが、すでに述べた理由により容易ではない。

 そこでマッザーリは現メンバーに彼のシステムを徹底的に叩きこんでいるところだ。マッザーリのサッカーの特徴は、「走り」「プレッシング」そして「サイド」にある。必然的に昨季と比べるとインテルはサイドをより活用するサッカーをすることになり、サイドの選手は攻守にわたり今まで以上に多くのことを求められることになる。オフェンシブ面では、押し上げとFWへのクロスの質量の向上、ディフェンシブ面では、DFをどうやってフォローしていくかが特に教育されているところだ。

 このサッカーに適している長友佑都はチームに残るということでマッザーリとフロントは意見が一致している。しかし、今のインテルに絶対的な“門外不出”は存在しない。今年の原則は、極論を言えば全選手が放出リストにある、ということ。つまり、他のクラブから断れないほどの大金が提示されたら、どの選手も売却の対象になるということだ。

 とはいえ、今現在、ネラッズーリ(インテル)の金庫の役に立つ額でオファーが来そうなのは、GKハンダノヴィッチ、MFグアリン、DFラノッキアぐらい。しかも3人ともミラノの町から出ていく気が全くないこともあり、彼らが出て行く確率はかなり低い。よって、現実的な交渉リストにある選手は、イタリア代表MFスケロットとセルビア代表クズマノビッチぐらいである。

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