バルセロナの新指揮官、マルティノ監督の「サッカー哲学」

  • 山本美智子●取材・文 text by Michiko Yamamoto photo by Rafa Huerta

 アルゼンチン人監督、ヘラルド・マルティノが、FCバルセロナにやってきた。

 マルティノは、メッシが幼少の頃プレイしたアルゼンチンのクラブ、ニュー・ウェールズ・ボーイズの伝説的選手であり、パラグアイ代表監督(2007年~2011年)としても名を成している人物だ。

 しかし、ヨーロッパでは無名に近い。マルティノ本人も、記者会見でそう言われても、「私のキャリアは南米で積んできたものなので、ヨーロッパで知られていなくても不思議ではない」とあっさり認める。

ビラノバ監督が退任したバルセロナの新指揮官は、アルゼンチン人のマルティノに決まったビラノバ監督が退任したバルセロナの新指揮官は、アルゼンチン人のマルティノに決まった バルセロナのスポーツ副会長、ジョセップ・マリア・バルトロメウは、「タタ(マルティノの愛称)にヨーロッパのチームを率いた経験はないが、クラブがうまく助ければ、絶対に成功できると確信している」と新監督に大きな期待を寄せている。

 今回の就任記者会見は、テレビで生中継され、バルセロナの公式サイトを通してストリーミング中継もされた。そして、現地のスポルト紙が会見後にネット上で緊急アンケートを行なったところ、92%がマルティノの監督就任に賛同するという結果が出た。第一印象は上々だ。

 マルティノ新監督のサッカー哲学は、バルサのそれに非常に近い。「プレスを中心とした攻撃的サッカーはゆずれない。ディフェンダーは高い位置で守らなければいけない。失ったボールはプレスをかけてすぐに奪いに行く。ニュー・ウェールズ・ボーイズでも行なっていたようにカンテラ(下部組織)重視のチーム作りを行なう」など、マルティノのサッカースタイルとバルサの基本コンセプトは酷似している。

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