CL総括。バイエルンの4人が欧州最高の前線となり得た理由 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Akagi Shinji

 右もあれば、左もある。だから真ん中が生きる。ロッベン、リベリーという切り札が、その中で効果的にプレイできたことがバイエルンの勝因だと思う。

 敗れたドルトムントにも、バイエルン的な魅力はあった。1トップ、レバンドフスキーとその下で構える3人、計4人の攻撃力には目を見張るものがあった。その一人であるゲッツェの欠場はそうした意味で痛かった。

 バイエルン、ドルトムントのサッカーは決して地味ではなかった。とりわけバイエルンの前の4人の攻撃は、バルサ、レアル・マドリードより多彩だった。

 イタリア勢対決となった02~03シーズンの決勝、ユベントス対ミラノは、眠くなるような一戦で、イタリアサッカーを悪い感じで宣伝することになったが、今回のドイツ対決はその逆。欧州の悪役と呼ばれたかつての汚名はこれで完全に払拭された。ドイツのイメージは大幅に上昇することになった、と僕は見ている。

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