2013.05.28

CL決勝でドイツ勢が示したサッカーの新たなトレンド

  • 福田正博●解説 analysis by Fukuda Masahiro
  • photo by Akagi Shinji

 ロンドンのウェンブリーで行なわれた今季のチャンピオンズリーグ(CL)決勝。初のドイツ勢対決となったバイエルン対ドルトムント(2-1)の一戦を現地取材した福田正博氏が、この試合のポイントを分析した。

 試合は立ち上がりから、ドルトムントがアグレッシブにしかけていき、非常に面白い展開になった。ドルトムントはチャレンジャーとして、バイエルンを相手に自分たちのサッカーを貫いた。前半、そのドルトムントのサッカーがうまくハマった。バイエルンは攻めあぐねて前線にボールをつけられず、横パスとバックパスばかりで、後ろで回しているシーンが多かった。

老練なハインケスと青年監督のクロップの戦いは、今季限りでバイエルンを離れるハインケスが勝利 ドルトムントは全員がハードワークをするコンパクトな守備陣形で、バイエルンの最終ラインにもプレッシャーをかけ続けた。また、中盤のエリアでは縦パスのコースを限定し、中に入ってきたボールに対して、すぐにアプローチしてボールを奪い、縦に速く攻撃した。前半はドルトムントが主導権を握っていたと言っていいだろう。

 あれだけのラインの高さをキープするのは、前線がしっかりとハードワークをしてボールホルダーにアプローチするのが大原則であり、生命線。怖がらないで高い位置をキープしてコンパクトさを保つために、攻守の切り替えの早さ、スピードが求められる。

 ドルトムントは攻撃的なサッカーではあるが、ポゼッションはしない。今季CLベスト4に進出したチーム(バイエルン、ドルトムント、バルセロナ、レアル・マドリード)のうち、平均ボールポゼッション率が50%を切っているのはドルトムントだけで46%。ほかの3チームは50%以上あった。つまり、ドルトムントのサッカーが、ボールを回すことなく縦に速いことをこのデータが示している。