2013.05.27

CL総括。バイエルンの4人が欧州最高の前線となり得た理由

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Akagi Shinji

決勝の後半89分、決勝ゴールを決めたロッベン チャンピオンズリーグ決勝。バイエルンの優勝は当然の結果だった。前回優勝(00~01シーズン)より必然があった。すなわち良いサッカーをした。見た目にも悪くない、万人に好まれるサッカーをした。

 バレンシアにPK戦勝ちした12年前は違った。マンチェスター・ユナイテッドにまさかの大逆転負けを喫した98~99シーズンもそうだった。当時のバイエルンのサッカーをひと言でいえば守備的。守りを固めてカウンターという、サッカーの普及と発展に貢献しそうもないエンタメ性の低いサッカーを披露した。

 ひと言でいえば悪役。そしてそのイメージはいまだに健在で、今回の決勝がドイツ勢対決に決まると、ブンデスリーガに多くの選手を輩出している日本のサッカーファンからさえ、残念がる声をより多く耳にした。

 しかし、バイエルンの決勝進出は最近の4シーズンで今回が3度目。この高位安定は、守りを固めてカウンターのサッカーでは得られないものだ。そういうサッカーに安定感はない。

 4シーズン前、すなわち、決勝でインテルに敗れた09~10は、ロッベンとリベリーを初めて揃ってウイングというべきポジションに配して臨んだシーズンだった。

 メッシとクリスティアーノ・ロナウドを欧州サッカー界の横綱とすれば、ロッベンとリベリーは大関。欧州年間最優秀選手の投票で、1位は難しくても、2位、3位は十分に狙える選手だ。そのクラスの選手を2人同時に抱え、しかも両ウイングというポジションに配置できているところに、バイエルンの強みがある。