2013.05.07

リーガで苦戦。CLで敗北。でもレアルはなぜ儲かっているのか?

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

独自の経営手法でレアル・マドリードを改革したフロレンティーノ・ペレス会長 先日、アメリカの月刊誌『フォーブス』が発表した恒例の「サッカークラブ長者番付」において、ついにレアル・マドリードが、8年連続トップの座を守り続けていたマンチェスター・ユナイテッドを抜き、世界で最も資産価値の高いクラブとなった。長い不景気がサッカー界にも影響を及ぼし、選手への給料未払いなど財政破綻するクラブが続出しているスペインでありながら、レアル・マドリードにとってはそれもどこ吹く風。リーガ・エスパニョーラでは首位のバルセロナに大きく差を開けられ、チャンピオンズリーグでも準決勝でドルトムントの前に敗退。結果を残せぬままシーズンを終えるかもしれないのに、レアル・マドリードの売り上げは止まるところを知らない。

 それにしても、一体なぜこのような不況下においても、レアル・マドリードは儲かっているのか?

 そこには、名物会長フロレンティーノ・ペレスが確立した、独自の経営手法が存在している。

 現在2度目の会長職を務めるペレスが、最初にレアル・マドリードの会長に就任したのは2000年のことである。自身2回目(1995年の1回目の選挙では落選)となるこの年の会長選挙で、公約として掲げたのが、当時バルセロナのアイドル――ルイス・フィーゴの獲得だったことは有名な話だ。

 実際、ペレスは選挙に当選した後にフィーゴを獲得。宿敵にフィーゴを奪われたバルセロナのサポーターが怒りを爆発させたことで、世界中のサッカーファンに大きなインパクトを与えたことは周知の通りだ。だが、それは自身大ファンだったレアル・マドリードを復活させるためにペレスが断行した、経営改革の一部に過ぎない。まず、そこに至るまでの過程から、ペレスはサッカークラブ経営の常識を覆(くつがえ)す手法で改革を着手していったのだ。

 実は当時、レアル・マドリードは金融機関から1億5600万ユーロ(当時のレートで約155億2400万円)もの融資を受けるなど、その負債総額は2億300万ユーロ(同・約202億円)にも及んでいた。移籍金の未払いも2000万ユーロ(同・約19億9000万円)に膨らんでおり、クラブはフィーゴ獲得などままならない危機的な財務状況にあったのだ。