2013.05.09

ホッフェンハイム退団。宇佐美貴史が期待に応えられなかった理由

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

シーズン前半、宇佐美貴史のドリブル突破にホッフェンハイムのファンからは大きな歓声が送られていた 4月25日、ホッフェンハイムは宇佐美貴史が今季限りで退団することを発表した。昨年夏からの1年間の契約期間を延長しないという決定されたということだ。バイエルンから移籍してわずか1シーズン、宇佐美はまた新天地を探さねばならなくなった。

 キッカー誌によれば、ホッフェンハイムの宇佐美に対する契約延長オプション行使は3月末が期限だったという。つまり、3月末には本人に来季のことを通達せねばならないということだ。だが、4月5日、デュッセルドルフ戦の時点で、当のキッカー誌記者もその結果を把握していなかった。広報担当に尋ねてみても「知らない」との回答だった。

 ちょうどこの日は、ホッフェンハイムにとって今季4人目の指揮官であるギズドル監督が、就任からわずか4日目で迎える初陣だった。多くのベンチ外選手が試合後のロッカールームへ、勝利を祝福するために顔を出したが、宇佐美の姿はその中にはなかった。いやがおうにも別れを予感させた。

 強豪から獲得した若手選手、宇佐美に対する期待は小さくなかった。終わってみればリーグ戦20試合、カップ戦1試合(一回戦敗退)に出場。この数字自体は多くもないが、必ずしも少ないというほどのものではない。一方、得点は2。肝心なのは、ポテンシャルを評価されていた宇佐美が、なぜまたも真価を発揮できなかったのかということだ。

 バイエルンからの移籍先の候補としてまず上がっていたのはニュルンベルクだった。宇佐美本人が「あれはやられました」と言うくらいだから、決定に近いところまで話は進んでいたようだ。だがニュルンベルクは宇佐美ではなく清武弘嗣を獲得。宇佐美はホッフェンハイムに引き取られた。その両チームに共通するのは、中位から下位をいく若手中心のチームであるということ。宇佐美は純粋に出場機会を求めた。

 開幕を共に迎えたバベル監督は宇佐美を高く評価していた。プレイのクオリティだけでなく、「根っからのサッカー少年」という表現をしてサッカーに取り組む姿勢を評価した。期待に応えるように、第3節フライブルク戦、第5節シュツットガルト戦では1ゴール1アシストの活躍を見せた。特にシュツットガルト戦の鮮やかなゴールは強いインパクトを残した。