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【イングランド】ダービーで浮き彫りとなった香川真司の必要性 (2ページ目)

  • 鈴木英寿●文 text by Suzuki Hidetoshi
  • photo by AFLO

 一方、シティの評価は、「プレミアリーグ最強の中盤を誇る」と大絶賛。「5人で構成する中盤が、今季最高の安定感を披露した」と評した。ダービーでは、ヤヤ・トゥーレとギャレス・バリーの屈強な守備的MFがユナイテッドの攻撃の芽を摘み、トップ下ではダビド・シルバが自由を謳歌し、そして右のジェイムズ・ミルナーと左のサミル・ナスリが両サイドを切り裂いていた。試合後、マンチーニ監督が「我々は『フットボール』をした」と胸を張ったのは、ユナイテッドよりも質の高いプレイを展開できたという強い自負が込められている。

 ところでこの試合、香川真司はベンチスタートだった。そして出場したのは、後半終了間際のアディショナルタイム。負傷したヤングに代わっての投入だった。このような状況下で、結果を残せる選手は世界中探してもほとんどいない。香川は珍しくミスキックをするなど、不完全燃焼のまま、自身初となるダービーをわずか数分で終えた。

 試合後、アレックス・ファーガソン監督が「もう一度、やり直す必要がある」と語ると、『タイムズ』紙はその点について、「ファーガソン監督はヤングにさらなるレベルアップを求めてもいい」と厳しく指摘した。シティのように中盤の構成力が高く、単純な崩し方では通用しない相手に効果的なのは、スペースの少ない状況でも瞬時にスペースを見出し、味方とのコンビネーションで打開する選手ではないのだろうかと。

 首位快走で霞んでいたが、今季のユナイテッドは攻撃の戦術において、課題を引きずったままだったのだ。前述した「強い相手との対戦になると、攻撃面で手数不足となる」という課題。それは、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦、アウェイでのレアル・マドリード戦(1-1)で再び浮き彫りとなり、今回のダービー敗戦によって決定的となった。

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