【ドイツ】ユニフォームを交換。長谷部誠が認めた清武弘嗣の成長

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

ボルフスブルク戦に先発フル出場、アシストも記録した清武弘嗣ボルフスブルク戦に先発フル出場、アシストも記録した清武弘嗣 ヨルダン戦の敗戦からすぐの週末、ドイツでプレイする日本代表選手の多くはいつも通り、クラブでピッチに立った。

 直接対決となったボルフスブルクの長谷部誠とニュルンベルクの清武弘嗣も、いつものようにチームのためにピッチを駆け巡った。結果は2-2の引き分けに終わった。

 派手な打ち合いだったわけではない。前半はホーム、ボルフスブルクのゲーム。開始2分にディエゴの技ありシュートが奇襲のごとく決まり、相手の戦意を削いだ。27分にはオリッチの追加点が生まれる。

 だが後半、ニュルンベルクが反撃を開始する。ニュルンベルクはシステムを変更し、1トップをペクハルトにすることでサイドからの攻撃を徹底した。中盤の清武はそのチャンスメイクに回りながら、積極的にゴール前に顔を出す。61分には左サイドからえぐってクロスを入れると、相手ディフェンダーのクリアが2回続いたが、そのボールをシモンズが振り抜き、スーパーミドルシュートが決まった。するとその5分後には、ほぼゴール正面、約20メートルの距離からの清武のFKを味方が決めて同点に追いついた。

「それまでプレイスキックが全部芝にひっかかっていたので、あの1本だけ集中した。あのあたりに蹴れば何か起きると思ったので」と、清武は笑顔を見せた。

 ボルフスブルクに主導権を握られた前半、清武にはポラックが徹底マークに来た。「イエロー1枚くらい、かまわないんだろうな」と感じたという清武。前半のうちに警告を受けるほどの激しさのマークに、「あいつ、ふざけんなと思った」。清武は接触シーンで左臀部からふとももの間を打撲。試合後もまだ痛みを引きずるほどの激しさだった。

 ボルフスブルクのヘッキング監督はこの冬にニュルンベルクから移籍している。当時、下位に苦しんでいたニュンベルクは奮起して当然だ。「見返してやろうという気持ちが、口には出さなくてもあったと思う」と、清武は認めた。

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