【イタリア】監督自らが語る「ユーベが3バックを採用した3つの理由」 (2ページ目)

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

――スコアは0−0。しかし、内容では明らかにユベントスは押されていた。むしろ、攻撃ではほとんど形らしい形をつくれずに終わった。

「その通り。だからこそ我々はウインターブレイクの間、その点を徹底して研究し、激しいトレーニングを重ねることで精度の向上に努めた。そして、徐々にではあるが年明け以降の戦いで成果が現れるようになっていく。

 一方で、2011年末から2012年の初頭に掛けて、トレーニングを重ねながら、このユベントスに最も適した布陣が3−5−2であることを私は強く実感していた」

――その根拠は?

「3つある。まずひとつは、当時も現在も、ユベントスが恐らくは世界的に見ても優秀なCB3枚を同時に擁しているという点。言うまでもなくそれはアンドレア・バルツァッリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニの3枚だ。

 そうである以上、この中のひとりを外す選択肢はあり得ないし、あるいは本来のポジション以外の場所でプレイさせることは決して生産的ではない。

 2点目。チーム内にかつての自信を取り戻すことが急務であったという点。つまり、私が就任する以前のユベントスは2季連続で7位、あまりに多くの失点を喫していたという現実があった。当時の選手たちは明らかに自信を失っていた。だからこそ、強固な土台を再構築する責務が私にはあった。

 そして3点目、それはいわゆるサッカー哲学だ。それは他でもないこの私自身のことなんだが、ユベントスに来る以前の私が一貫して指向していたフォーメーションである、4−2−4を実践するために最も重要な駒を欠いていたから。自らの哲学に修正を加える必要に迫られていたんだ。

 それは、言うまでもなく両ウイングだ。前線4枚の両サイド、その役割を当初マルキージオとヴィダルに課してはみたが、彼らふたりはあくまでもセントラルMF、当然のことながら機能させることはできなかったし、ふたりともピッチの中央から前(前線)のスペースに走ってこそ真価を発揮する選手だからね。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る