2013.03.04

【スペイン】レアル・マドリードは香川真司をどう見ているのか

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi

レアル・マドリードとのチャンピオンズリーグ第1戦、ケディラのプレスに苦しんだ香川真司(ムツ・カワモリ●写真 photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA) 国王杯準決勝に続き、リーグ戦でも主力を温存したメンバーでバルセロナに勝利を収めたレアル・マドリード。これまでスペイン、そして欧州サッカーの覇権を握っていたバルセロナの落日、そして20世紀最高のクラブの称号を得たレアル・マドリードの復調は、欧州サッカーシーンではトップニュースとなっている。

 だが日本では、それ以上のインパクトを与えた出来事がこの週末にあった。もちろん、ノリッジ戦で日本人として初めてプレミアリーグでハットトリックを決めたマンチェスター・ユナイテッドの香川真司の活躍だ。『マンチェスター、香川で十分』とタイトルを打ったスペイン紙MARCAをはじめ、複数のスペインメディアでもその名前が報じられた。もちろん、それは10度目のチャンピオンズリーグのタイトルを狙うレアル・マドリードの対戦相手の選手であるがゆえである。

 現時点でスペインサッカーの中にはまだ香川という名前は浸透していない。その例がサンティアゴ・ベルナベウでのチャンピオンズリーグの対戦前に行なわれていたセルヒオ・ラモス、ベンゼマ、エッシェンの記者会見だ。香川についての質問が日本メディアから飛んだが、対応した彼らの答えは、その相手を知らない時によく使う相手選手を褒めるというだけの模範解答で終わっていた。

「香川は偉大な選手」と評価したことがニュースになったセルヒオ・ラモス。英語で言うところのGreat Playerと話していることから、公式HPの翻訳は決して間違っていない。だが、話している表情、ひと言で終えたことなどを考慮すると、ニュアンス的には「素晴しい選手」が妥当だろう。また、エッシェンも「良く知らないが、マンチェスターが金を払い獲得を望んだ選手なら良い選手なのだろう」と当たり障りのないコメントだった。

 唯一代表戦で対戦し、香川と対戦経験があるはずのベンゼマだが、「知らない」のひと言。「一度対戦していればわかるかもしれないけど、詳しくは分からない」という、よく使われるフレーズもあるが、フランス代表FWにとっては日本戦の黒星は忘れたい過去なのか。その試合で決勝点をあげた選手の印象は述べなかった。