【イタリア】伝統のミラノ・ダービーで長友佑都が見せた「強さ」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

ミラノダービーで先発し、アシストを決めた長友佑都。結果は1-1のドローミラノダービーで先発し、アシストを決めた長友佑都。結果は1-1のドロー 前節終了時点で首位ユベントスに勝ち点で10以上の差をつけられ、ここまでの順位はインテルが5位、ミランが3位。今季セリエAも残すところ13節であることを考えると、両雄ともに優勝はかなり厳しい状況にあると言わざるをえない。

 とはいえ、伝統のミラノ・ダービーとなれば話は別だ。

「この雰囲気はもう格別。何度(ミラノ・ダービーのピッチに)立っても選手として光栄なことだと思うし、誇りに思う」

 長友佑都がそう話すように、ミラノ・ダービーは両クラブの選手にとって、まさに「絶対に負けられない戦い」。そんな意地と意地がぶつかり合う一戦で、まず主導権を握ったのはミランだった。

 ミランと言えば、UEFAチャンピオンズリーグで優勝候補筆頭のバルセロナをホームで2-0と破ったばかり。波に乗るチームは4日前の勢いをそのままに、一方的という表現がふさわしいほど、完全にインテルを押し込んだ。長友が語る。

「(ミランの)力はホント感じました。若い選手が躍動している」

 しかも、前半のミランのチャンスはそのほとんどが左サイド、すなわちインテルの右サイドバックとして先発した長友のサイドで生まれていた。長友にしてみれば、苦い前半だったに違いない。

「(ミランの)サイドバックがかなり高い位置に来ていたので、なかなか(インテル右MFの)グアリンも(マークに)つくのが難しい状況だった。サイドバックが出てきたり、ボアテングが流れてきたり、(対応するのは)簡単ではなかったかなと思う」

 そして21分、ついに長友がマークすべきFWエルシャラウィに先制点を決められてしまう。長友が振り返って言う。

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