2013.02.20

【スペイン】
監督不在に主力の移籍。好調バルサが抱える不安要素

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko photo by Rafa Huerta

来季、バルセロナには残留しないことを宣言した正GKのビクトル・バルデス 2013年に入ってからアウェーで勝利をあげていなかったバルセロナが(1敗1分け)、グラナダ戦で今年最初のアウェーでの白星をあげ、調子を取り戻してきた。次はチャンピオンズリーグでミランとの大事な一戦を控え、その後には、国王杯とリーグ戦でレアル・マドリードとの対戦も待ち構えている。

 リーグ戦では首位を独走しているバルセロナだが、チャンピオンズリーグや国王杯は、周知のとおりホーム&アウェーの勝ち抜き戦。一瞬の気の緩みが取り返しのつかない結果を生み出す可能性を秘めている。

 現在、欧州一、世界一と言われ、サッカーのお手本ともてはやされているバルセロナだが、実は、綱渡りで乗り切っている感もあり、傍(はた)から見るほど、すべてがうまくいっている状況ではない。

 その不安要素の筆頭にあげられるのは、何と言ってもティト・ビラノバ監督の不在だ。本人の強い希望により、詳細は公表されていないが、ビラノバは現在、ニューヨークに渡り、治療を続けている。ビラノバ監督は昨年11月、唾液腺(耳下腺)の悪性腫瘍の摘出手術を受け、その後再発の可能性が極めて低いことを確認したうえで、バルセロナという世界的トップチームの監督を続けることを決めた。しかし今、再発の兆候が表れたという事実は、ロッカールームに少なからぬ動揺を与えた。

 その動揺を鎮めたのは、ほかならぬティト・ビラノバだったと選手らは話す。ビラノバ監督の代理を引き受けた第二監督のジョルディ・ロウラは、「私たちには、ティトが試合だけでなく、練習を見ることもできるシステムが用意されており、すべての決定は彼が下している。彼とは常にコンタクトをとっている」と現状を明かした。