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【ドイツ】左よりも右サイド。
宇佐美貴史がポジション変更で得た手応え (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

「中への動き(サイドからの動き出し)は監督からも要求されているので、それは今日も7、8本、スプリントを繰り返すことができた。個人としてはこの前まではあまりそういう動きはできなかったですけど、今日は右に入れてもらえて、そういう動き方を確認することができた。 あと3~4メートル、ボールの質が良ければ絶好のチャンスになっていたことが多かったので、それは今日の収穫だったと思います」

 手応えが大きかったのだろう。ところどころ考えながら、ゆっくりと、しかし一気に語った。

 これまで宇佐美の定位置は左だった。右のフィウミーニョは、宇佐美のように動き出しで勝負できるタイプではなく、預けてからアクションを起こすタイプ。ただし質の高いドリブルはチームの大きな武器ではある。

 自然と攻撃は右に偏り、その原因は宇佐美の動き出しの質と回数に求められがちだった。だが今回、右に入ってプレイしたことで、それだけが原因ではなかったこと、つまり味方が右にしか出せていないということをピッチ上で再確認できたのである。

「今日はケビン(フォラント)が左に入ってましたけど、なかなかボールに触れてなかったし、俺のほうにパスが来ていた。右からの攻撃が多かった」と、冷静に振り返る。
 
「自分のスタイルを分かってもらったというよりも、チームの特徴として右のほうにボールが出てくる。やっぱりボールを触ってなんぼなので、やりやすかった。個人的には右に留まりたい」

 ボールが来ないととたんに存在感を失う宇佐美だが、この日は右で動き出し、裏を狙い続けた。消える時間帯もなく、90分間チャンスに絡む、というよりもチャンスを作り出そうと必死に味方にアピールし続けた。

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