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【ドイツ】ピッチに立ってこそ。
酒井宏樹が久々のフル出場で見せた成長

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Koba Kenzo

アウェーのニュルンベルク戦で先発したハノーファーの酒井宏樹アウェーのニュルンベルク戦で先発したハノーファーの酒井宏樹 酒井宏樹にとっては、久しぶりに巡ってきたチャンスだった。

 ブンデスリーガ第22節、ニュルンベルク対ハノーファー。試合前に発表されたハノーファーの先発メンバーのなかには、確かに「4 Sakai,Hiroki」の名前があった。

 柏のJ1優勝に大きく貢献し、ロンドン五輪では4位入賞。日本代表に選ばれるのも、もはや当たり前のこととなり、いわば鳴り物入りでドイツへ渡った酒井。だが、ハノーファーでは思いのほか苦しいポジション争いを強いられてきた。

 そんな酒井がハノーファーで公式戦のピッチに立ったのは昨年12月6日、UEFAヨーロッパリーグ(EL)のレバンテ戦が最後。ブンデスリーガに限れば、昨年11月27日のグロイター・フュルト戦に途中出場して以来となる。試合後の酒井が開口一番、「ホントに、ようやく出られたという感じ」と話したのも当然のことだった。

 試合序盤の酒井は、久しぶりゆえの硬さからか、あるいはアウェーゲームゆえの慎重さからか、持ち味である思い切りのいい攻撃参加が見られなかった。

 だが、試合の経過とともに、酒井は徐々にリズムをつかんでいく。24分には敵陣で相手のクリアボールを拾うと、そのまま強引に右サイドをドリブル突破。クロスは合わなかったものの、この日初めて"らしさ"を見せた。41分に生まれた先制点の場面でも、酒井がタイミングよくオーバーラップしたことが、中央にスペースを生むことにつながっている。

 また、2-1で迎えた71分には、MFヤ・コナンがボールを持った瞬間、トップスピードでオーバーラップしてペナルティエリア内でパスを受けた。これはファーストタッチが大きくなり、得点には結びつかなかったが、あわやという場面までつくり出した。試合を振り返り、酒井は言う。

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