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【ドイツ】ベンフィカ戦に出場。細貝萌は再び逆境を乗り越えられるか。 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 さらにここにきてカドレツが復帰。ベンフィカ戦ではカドレツが左SBを務め、細貝は慣れない右へと回された。

 そのベンフィカ戦、細貝は高い位置でのプレイを要求されたとはいえ、相手にあっさりサイドを破られるなど、決して出来が良いとはいえなかった。そして試合終盤には左SBが専門のはずのボエニシュとの交代でピッチを退いている。ボエニシュがそのまま右でプレイし続けたことを考えると、右の適性を考えたのかもしれない。SBとして高い評価のあるボエニシュとカドレツを共に先発のピッチに送り込むテストだったともとれる。細貝にとっては非常に不本意な交代だっただろう。

 細貝の置かれている状況は極めて厳しい。中盤で出場するにしても、ベンダー、ロルフェス、ヘーゲラーという安定した3枚が揃っている。仮に彼らの一角に何かがあっても、よほど攻撃的な相手でもないかぎり、ドイツ代表経験もあるカストロを1列下げ、前に誰かを補うことになるだろう。

 それでも、細貝がまたレギュラーを奪い返すに違いないと思わせてくれるのはなぜか。昨季のアウフスブルクでも、今季前半のレバークーゼンでも、不可能に近い中からポジションをつかみ取っているからだ。

「どこにいてもメンタリティは変わらない」 

「不屈の精神で前進あるのみ」と語る細貝。次はいつどのようなきっかけで先発に戻ってくるのだろうか。

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