【ドイツ】リーグ戦再開。チーム事情の変化に苦しむ日本人選手たち (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 先発復帰後は4-2-3-1の2列目の右サイドに入ることが多かったが、そのポジションをドルトムントから新加入したペリシッチに奪われた格好だ。長谷部自身も「2列目でプレイするならゴールに絡むことが課題」と常に話していたが、ペリシッチはまさにそれを体現する攻撃的な選手。一気にゴールに向かうドリブル、思 い切りが良く正確なシュートが持ち味で、ある意味、納得の補強だ。もちろん長谷部は2列目ではなくても、ボランチで攻守双方に力を発揮することができるし、マガト時代に慣れたサイドバックも今ではお手の物。このまま控えで終わるということはまずないはずだ。

 一方のシュツットガルトでは、岡崎慎司がついに1トップで先発出場を果たしている。本人は中央でのストライカーとしての仕事が2列目よりも楽しいと常々語っている。ここで結果を出したいところだが、この日は無得点に終わった。酒井高徳は2試合の出場停止中。試合は2-0でボルフスブルクのヘッキング監督が初陣を飾った。

 バッベル監督の下で先発に定着していたホッフェンハイムの宇佐美貴史だが、11月の日本代表オマーン戦への招集を境に先発を外れたり、ベンチを外れたりするようになった。年末に就任したクラマー暫定監督の下でも先発を外れており、後味の悪い形で前半戦を終えていた。そのホッフェンハイムは中断を挟んでクルツ新監督が就任。風向きが変わったようで、ボルシアMG戦は2列目の左で先発復帰を果たしている。

 ゴールこそならなかったが、ドリブルでゴールに迫り、マークを外して飛び出したりするなど積極的にペナルティエリア内での仕事を見せた。ビルト紙の採点(1~6で最高が1)では下から2番目となる5とされだが、このままいけば周囲の評価も完全に回復するだろう。試合はスコアレスドローに終わっている。

 同じく19日に行なわれたレバークーゼン対フランクフルト。前半戦、左右のサイドバックにボランチにと活躍したレバークーゼンの細貝萌はベンチスタートとなった。理由は昨年11月にブレーメンから獲得したボエニシュが左サイドバックに入ったからだ。練習ではボエニシュか細貝のどちらかが左サイドバックでプレイしていたが、試合ではボエニシュが起用された。

 ボエニシュは191センチ、85キロと大型で、安定感のある守備が持ち味。この試合ではセットプレイから先制点を挙げており、しばらくはスタメンが続きそうだ。ドイツに来てからの細貝は常に劣勢からスタートし、最終的にはポジションを勝ち取っている。長谷部同様、複数ポジションをこなせる選手だから、そのうち再びチャンスが巡ってくることは間違いない。

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