【イタリア】勝っても監督がブチ切れ!好調ナポリが抱える内憂外患 (2ページ目)

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by GettyImages

 名誉のために明確にしておくと、カンナバーロとグラーバは八百長に関わっていたのではない。彼らは持ちかけられた八百長を拒否して一切関わっていないのだが「話をもちかけられたことをサッカー連盟に報告しなかった」ために罪になったのである。

 シーズンまっただ中に裁判が行なわれ、判決を待つやるせない空気の中で選手を試合だけに集中させるのは監督として苦しく困難だったはずである。しかもカンナバーロはチームキャプテン、グラーバはナポリ愛を体現しているような選手で、セリエC2(4部リーグ)から復活したナポリ最後の生き証人なのだ。

 1月17日に上訴の場が与えられており、そこがだめでも"最高裁"に当たるイタリア五輪委員会へ持ち込む覚悟だが、1月の移籍市場では、カンナバーロの穴を埋めるためのCB補強はマッザーリにとって必須である。ヨーロッパリーグという過酷な移動を強いられるカップ戦にナポリは残っているからなおさらだ。

 サポーターの間からはマッザーリのトレードマークにもなっている3バックの見直し要望も根強くあがっている。両サイドを下げて4バックにすれば、CBで必要な選手数は3から2に減るから、カンナバーロ問題への対策としても有効だ。

 ナポリは今までも試合途中から4バックにすることはよくあったし、バリバリの3トップを敷くローマとの戦いでは最初から実質上4バックだった。ナポリの武器はズニーガ、マッジョによる両サイドの突破にあるから、マッザーリとしては今まで通り3-4-1-2を貫きたいところだろうが、今後の補強次第ではベースとなるシステムを変更する必要に迫られるかもしれない。

20日に組まれているフィオレンティーナとの直接対決から、サンパオロを離れての2試合連続アウェー、そして2月にはヨーロッパリーグが待っている。ここからの1ヵ月半がナポリにとってのひとつの山場となりそうだ。

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