2013.01.09

【スペイン】2014年ブラジルW杯、スペイン、そして日本の「最強時代」は続くのか?

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama
  • photo by Getty Images

2012年、ユーロ連覇を達成。トロフィーを掲げるスペイン代表最強の代表が崩壊するとき(3)~スペイン編

 97~98年のブラジル、98~02年のフランス。「史上最強」かつ「世界最強」だった両チームが本番直前に崩れていく姿は、僕にとってあまりにも衝撃的な出来事だった。

 現在の世界に目を転じれば、かつてのブラジル、フランスを想起させるチームがひとつ存在する。ユーロ2008、10年W杯、ユーロ2012を立て続けに制覇した世界ナンバーワンチーム。現在のスペインは、果たしてブラジル、フランスと同じ道を辿るのか。相違点はあるのか。興味を覚えずにはいられない。

 強さという点では、当時のブラジル、フランスの方が上だと思う。スペインは勝つには勝っているが、ベストゲーム、会心のゲームは意外に少ない。終わってみれば勝っていたとは、優勝した3大会に共通して言える感想だ。完成品に見えたことはほとんどない。それでも勝てている理由は、他国のふがいなさもあるが、監督の作戦に奥の手と言うか、深みがあることだ。

 真ん中を強引にパスで突くサッカーが行き詰まると、サイドアタックに切り替える術がある。おなじみの中盤選手に代わり、ペドロ、ヘスース・ナバス、サンティ・カソルラ等が登場すると、雰囲気はがらり一変。チームにはとたんに新鮮みが生まれる。CF(フェルナンド・トーレス)を引っ込めて、MF系の選手(セスク)を高い位置に置く0トップ作戦もある。

 バルサ・サッカーのコンセプトを取り入れ、二段構え、三段構えの構造を実現させていることが、マンネリ化に陥りにくい原因だ。バルサとレアル・マドリードのライバル関係がスペイン代表の足かせになっていた時代はもはや過去。デル・ボスケが元レアル・マドリード監督としてのこだわりを捨てたことで、スタイル的に挙国一致が実現したことも強みだ。スペイン代表を国家的に応援しようというムードになっている。