【ドイツ】酒井高徳の復調で、落ち着きが戻ったシュツットガルト (3ページ目)
この日の酒井は、珍しく守備に徹していた。
「カウンターが怖いからバランスをとることを優先した」
酒井が手応えを感じるのは、ボランチと最終ラインとの連動性だ。コミュニケーションがとれない、思ったように連動しない、得点への焦りから約束事が破られる……と、悩みが深かった周囲との関係がようやく元に戻りつつある。
「落ち着いて対処できたことが良かった」と語る酒井にも、少し自信が戻ってきたようだ。
「チーム状態はベストとまではいかないけど、それでも勝てるのは去年と同じかな。でももっと良くなるには、カウンターだけではなくて、じっくりボールをまわせるようになること。そうすればオレが右SBの位置で落ち着かせることもできるし……」
勝利の後ということもあって、実に楽しそうにイメージを語る。攻撃にあまり加われなかった悔しさはなく、SBとしての仕事をした充実感がうかがえた。
振り返れば昨季も酒井加入と同時にシュツットガルトは調子を上げ、最終的にはヨーロッパリーグ出場権まで手にしている。酒井が本格的に復調した今から、シュツットガルトは順位をじわじわと上げていくのではないだろうか。
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