2012.11.19

【ドイツ】酒井高徳の復調で、落ち着きが戻ったシュツットガルト

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by picture alliance/AFLO

ボルシアMG戦に先発フル出場、勝利に貢献した酒井高徳(シュツットガルト) 今季開幕当初、酒井高徳はなかなか調子に乗れずにいた。原因はいくつもあった。

 まず昨季後半戦、つまりシュツットガルトに移籍してからのフル稼働が思わぬ負担となっていたこと。この夏のオフは、疲労を考慮せず自主トレに取り組みすぎたのだそうだ。若く回復力があり、疲労の自覚があまりないことが原因だった。

「あそこまで毎試合フルでやったことがなかったのに、欧州のサッカーの激しさを自覚していなかったのかもしれない。もっと休めば良かったのかもしれない」と、クラブに合流して各種検査の数値を見て、気づいたのだそうだ。

 そこに出場機会に恵まれない五輪期間があったせいでさらに調整が狂った。

 開幕から数試合、特に第3節、1-6で敗れたバイエルン戦の頃などは、一時はドイツ代表入りまで望まれた酒井の姿は見る影もなかった。とにかく動けず、対面の選手にものの見事にやられた。

「まずは去年の状態に戻さないと」と、焦りに近い感情を口にしていた。

 クラブにしても、ラバディア監督にしても、酒井には昨季以上の活躍を期待していた。だが、あまりにもフィジカルコンディションが上がらない。10月半ばには、当初は日本代表の欧州遠征メンバーに入っていなかった酒井のために、クラブは集中メニューを組んだ。それを数日こなし、ようやく調子が上がってきたところで、今度は欧州遠征に追加招集を受ける。