【イングランド】復帰間近の宮市亮。今季のキーワードは「チャレンジ」 (2ページ目)

  • 鈴木英寿●取材・文 text by Suzuki Hidetoshi
  • photo by Getty Images

 この中堅クラブにあって、プレミアリーグ2シーズン目を迎える宮市は、個人的にどんな目標を掲げているのか。

「昨季はプレミアリーグの舞台を経験させてもらいました。(今季は)チャレンジするだけです。チャンスがきたら、ちゃんと掴まえなければいけない」

 チャレンジとは、宮市が今季から与えられた『新しいポジション』のことだ。3-4-3を基本布陣とするロベルト・マルティネス監督は、宮市を中盤の右ウイングに起用している。高校在学中にアーセナルに入団し、プロ初年度ながらオランダ・エールディビジのフェイエノールトにレンタルに出されたシーズン。宮市は、得意の左サイドで活躍した。だが今季は、不慣れな右ウイングのポジションで、格闘の日々を続けている。ケガの影響もあるが、今季これまでの出場はリーグ戦3試合、カップ戦2試合。計5試合にとどまっている。

 世界最高峰の舞台プレミアリーグは、宮市にとって、「(昨年王者の)マンチェスター・シティでさえ負けるかも知れない、何が起こるか分からない」ほど予測不可能で、実力が拮抗したリーグだと語る。各クラブのプレイのテンポも、「とてもスピーディ」だとも。しかし、「スピードでは通用していると思います。負けてはいないと思います」と自負するように、少ない出場機会の中でも、自慢のスピード突破は披露できている。

 ただ、今の自分に足りないのは、ファイナルサード(ゴール前最後の30m)でのアシストや、シュートスピード、そして精度だと語る。「左サイドのほうがシュートは打ちやすい」と本人も語るとおり、与えられた右サイドというポジションで足りない部分を伸ばすことが、今季の目標だ。

 宮市は今年の12月で、ようやく20歳を迎える。「監督からは、『1シーズンを通して見るからな』と言われています」と本人が証言するように、マルティネス監督もケガから戻った宮市を無理に酷使することはないだろう。プレミアリーグで通用するウイングに仕上げるべく、1シーズンかけてじっくりと育てる意向だ。

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