2012.11.08

【スペイン】不調レアル・マドリード。問題の根はC・ロナウドにある

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

ホームのドルトムント戦、レアルは終了間際、エジルのFKで辛くも同点に レアル・マドリードの調子が上がらない。リーグ戦は現在3位。チャンピオンズリーグでもグループDで2位と、ボルシア・ドルトムントに先行を許している。直接対決となった第3週、第4週の結果はR・マドリードの1分1敗。アウェー1-2、ホーム2-2。いずれも内容とスコアがほぼ一致する順当な結果だった。サンティアゴ・ベルナベウホームの第2戦は、立ち上がりの3分間の内容を見ただけで、R・マドリードの苦戦が読み取れた。

 R・マドリードを強者、ドルトムントを弱者とするならば、強者は弱者の猪突猛進な挑戦をまともに受けていた。上手にいなすことができていなかった。強者もまた猪突猛進なサッカーに終始していた。

 よく言えば「目には目を」なのだけれど、試合はその結果、噛み合った。撃ち合い。殴り合い。強者はカッとなりながら試合をした。一発撃たれると、必要以上に怒り、焦り、慌てた。強者らしからぬ大人気ない、怒りっぽいサッカーをした。

 バルサとの比較で言えば、そのサッカーはかなり直線的だ。両サイドに絶対的な幅がなく、ゴールにダイレクトに向かっていく。力でねじ伏せようとする強引さ がある分だけ、相手ボールに転じやすい。攻守は思わぬ場所で切り替わる。その瞬間、スタジアムにはエッという驚きが走る。選手も同様なはずだ。そこには必然性がたっぷりあるのに、選手もファンも想定外のまさかの出来事として捉えている。

 備えがあらかじめできていないところに強者の奢りを感じる。強引さと不用心が表裏一体の関係にあるのが、いまのR・マドリードだ。

 ドルトムントのサッカーもR・マドリードに似ているが、弱者を自負する分だけ、用心深さがある。ボールを奪われても、備えはできている。変に慌てたり、焦ったりしない。奪い返そうする意思も強い。互角以上の戦いができた理由だ。