【イングランド】ただの模倣?
マンCが元バルセロナの幹部を次々に招聘

  • 藤井重隆●文 text by Fujii Shigetaka

 マンチェスター・シティは28日、 元バルセロナの強化部長チキ・ベギリスタインが強化部長に就任すると発表した。ベギリスタインは現役時代にバルセロナとスペイン代表で活躍。1997年から引退までの2年間、Jリーグの浦和レッズでプレイしていた。

 ベギリスタインはバルセロナで強化部長を務めた2003年 から7年間、クラブ会長だったジョアン・ラポルタ、 副会長だったフェラン・ソリアーノと共に世界最高峰のクラブ経営体制を確立。ライカールト監督(03年-08年)、グアルディオラ監督(08年-12年)をサポートし、リーグ優勝4回、チャンピオンズリーグ優勝2回など、黄金期を築いた。

 前述のソリアーノも今季からマンCの最高経営責任者に就任しており、それに続く今回のベギリスタイン入団はマンCの行く末を占うことになる。

 マンチーニ監督は前強化部長ブライアン・マーウッドとうまくいかず、過去2年間の選手補強が思い通りに進まなかったことを公言していた。結局マーウッドが若手育成幹部に格下げされる形で落ち着いたが、今後はベギリスタインが補強の実権を握るだけに、イタリア人監督とスペイン人上層部との関係にも注目が集まる。

 一方、ベギリスタインとソリアーノが再会したことで、前バルセロナ監督グアルディオラの「合流」も急浮上している。ただし、グアルディオラを巡っては、様々な憶測が飛び交っている。今年71歳を迎えるマンチェスター・ユナイテッドのファーガソン監督、現在リーグ首位のチェルシーのディマッテオ監督の後任候補にも名前があがっており、本人がロンドンのクラブを指揮したい意向を示しているといった報道や、バイエルンやミランなども打診しているとの噂もある。

 いずれにしても、欧州各国の強豪クラブが、バルセロナのクラブ体制を現代サッカー界の模範として掲げ、模倣に躍起になっている事は言うまでもない。ソリアーノは「恐るべきチーム」を作るべく、「持続可能な利用資源への投資」、「選手補強と選手育成」、「アカデミーとトップチームの連携」という3つの成功要素を掲げた。バルセロナで実現させたその要素が再現される時、はたしてマンCにも黄金期が訪れ、世界制覇を達成することができるか。

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