【ドイツ】岡崎慎司、酒井高徳が語るシュツットガルト復調の兆し (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 4-2-3-1の左MFでプレイする乾はそこからドリブルで中に仕掛けるだけでなく、パスやミドルレンジのシュートも持っている。1トップのオーシャンは身長185センチ、トップ下でプレイするチームのエース、マイヤーも196センチと、中央には大柄な選手が多く、前線のバランスは抜群だ。そこで、まず酒井は乾にボールを持たせないことを意識したのだ。

「乾君にボールが入るところだけを意識した。ボールに触れないと上手くリズムに乗れないタイプなのかな、と。マークの受け渡しもスムーズだったと思う」

 乾封じの労力は功を奏した。ボールになかなか触れない乾はプレイにあまり関われないまま前半のみでの交代となった。乾は「今日は自分が悪かった。うまく(コースを)切られた」と、言葉少なに語るしかなかった。

 シュツットガルトの7分という早い時間帯の先制点は、フランクフルトを精神的にも劣勢にたたせた。左MFのハルニクからのサイドチェンジから攻撃が始まり、右サイドで酒井がクロスを入れる。これは相手DFに当たってこぼれるが、トラオレが再びボールをあげてハルニクがヘディング、ファーサイドでゲントナーが右足を振り抜いた。一気にゴールまで陥れる、シュツットガルトが狙いとする形での得点だった。

 後半に1点を返されるが、最後にシュツットガルトが再び引き離した。結果は2-1。ラスト10分に出場した岡崎もサイドではなく2トップの一角として起用され、オフサイドにはなったもののゴール前でヘディングシュートを放ち、ゴールを予感させるプレイを見せた。

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