【ドイツ】2試合連続得点。乾貴士「この前のゴールは忘れようと...」 (2ページ目)
フランクフルトの乾も、まだ味方から全幅の信頼を得ているというわけではない。乾のポジションは2列目の左だが、攻撃が中央だけで完結することも多く、前半にはひとりプレイに関われずにいることもあった。だがボーフム時代に比べると、多くの成長が見られる。まずは守備への貢献度。切り替えも素早く、運動量も豊富だ。「監督からそこは求められているし、自分にも必要だから」と、労を惜しまず走っている。
もうひとつは得点への意欲だ。これまでは報道陣からも「ゴール前でシュートを躊躇している」という声が聞こえることがあったが、チャンスとみるや、今はためらうことなくゴールに向かっている。
60分にあげた追加点は、前節のゴールに続いて乾の高い技術とスピード、そして判断が光るものだった。左サイドでボールを受けると中央へ。ディフェンダー二人と対峙すると、ゴール方向である縦へ入るふりを見せながらその二人の間を抜け、さらにはもう1人をかわしてゴール右隅へ流し込んだ。
「前節のゴールの形が警戒されていると思ったので、縦にいくふりを入れてみたらうまく間を抜けた。その後も落ち着いていたし、冷静でいられたのが大きかった」と、そのシーンを振り返った。
前節のゴールは多くのメディアで賞賛され注目を浴びた。それに続く2試合連続ゴールだが、乾には思うところがあった。
「これまでは1点を決めたら満足することが多かった。だからこの前のゴールは忘れようと思って。それが良かった」
小さな意識改革がしっかりと結果に反映された。試合後のテレビ中継局のインタビューでは、日本語で掛け合い、笑顔を見せた清武と乾。元チームメイトの仲間とこうして再会できたことに、格別の思いがあったことだろう。
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