2012.06.01

【EURO】オランダの贅沢で深刻な悩み。ふたりの得点王は共存できるか?

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

ファン・ペルシー(左)とフンテラール(右)が同じピッチに立つ可能性は? 最近、オランダの日刊紙で『デ・スーパー・シックス』なる言葉が生まれた。2年前の南アフリカW杯で準優勝したときのロビン・ファン・ペルシー、ヴェスレイ・スナイデル、ラファエル・ファン・デル・ファールト、アリエン・ロッベンによる『ビッグ4』に、クラース=ヤン・フンテラールとイブラヒム・アフェライが加わったことで、名称が進化したのである。この6人はいずれも、たぐいまれな実力を誇る天才たちだ。

 オランダにはさらに、ディルク・カイトというハードワーカータイプの優れたFWもいる。この7人が『4-2-3-1』の攻撃陣、前4つの椅子を争うのだ。オランダ1600万人の国民はみな、代表チームの監督になったつもりで、ああでもない、こうでもないと4人の組み合わせに勤しんでいる。何とも贅沢な悩みだろう。

 とりわけ1トップのストライカー枠は、ブンデスリーガ得点王(フンテラール)と、プレミアシップ得点王(ファン・ペルシー)という、ともに世界的にズバ抜けた技量を持つスーパースターがポジション争いをしている。おかげで今季エールディビジ得点王のバス・ドストは、代表選考にかすりもしなかった。

 1トップを張るのはフンテラールか、それともファン・ペルシーか――。かつての名選手ヴィレム・ファン・ハネヘムが、「ファン・ペルシーをトップに置くと、ボールをもらうために下がってしまうので、他の選手のスペースを消してしまう。一方のフンテラールは得点能力だけでなく、狭いスペースでの技術も向上した。私ならフンテラールをトップに、ファン・ペルシーをシャドーストライカーとして起用する」と、オランダの全国紙『アルヘメーン・ダッハブラット』で主張すると、ライバル紙の『デ・テレフラーフ』でコラムを書く元オランダ代表ストライカーのヴィム・キーフトは、「ファン・マルバイク監督の頭の中では、すでにストライカーはファン・ペルシーと決めているはず。今はまだ、監督の胸の中に秘めることによって、フンテラールをガッカリさせないようにしているのだろう」と論じた。