【EURO】優勝の必須条件!?GKとDFが同じクラブであることのメリット
福田正博が語るユーロ2012~DF編
スペインのゴールマウスを守るのはイケル・カシージャス。DFラインとの連係にも不安は少ない
4年前の前回大会(スイス・オーストリア共催)では、スペインが衝撃的な優勝を果たしたユーロ。今回も、そのスペイン代表には注目しており、優勝候補であることは間違いないと考えている。
それからもうひとつ、私が優勝候補として推しているのはドイツだ。
ワールドカップやユーロなど、大きな国際大会の場合、選手は長期間一緒に生活をすることになるので、チームのまとまり、一体感は非常に重要になる。その点、「母国のために」というまとまりをもっとも強く感じるのがドイツであり、粘り強くあきらめない「ゲルマン魂」という伝統もある。
また、ドイツのDFラインについては、GKも含めて、バイエルンの選手が多いこともプラスの要素だろう。代表チームというものは、どうしてもトレーニングの時間が制限されてしまうので、連係や連動の確認などで時間が不足しがちなものだが、クラブでいつも一緒にやっている選手同士であれば、チームをつくりあげる時間が短縮できる。守備についても、イメージが共有できているのは大きな利点だ。
ドイツはGKのノイヤー、CBバドシュトゥバー、SBラーム、ボアテングがバイエルンで一緒にやっている選手なので、コミュニケーションもとれているし、コンビネーションについても不安はないだろう。
これは、スペイン代表にもあてはまることで、GKカシージャス、SBかCBを務めるセルヒオ・ラモスが同じレアル・マドリードの選手であり、ほかのDFも、アルビオル、アルベロアと、レアルの選手がメンバーに入っている。プジョルがケガのために出場できないが、もし出場していたら、ピケとCBを組むことになっていただろうから、その場合もバルセロナで一緒にやっていることがメリットになっていたはずだ。
1 / 3
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。