【ドイツ】シュツットガルト5位浮上にも酒井高徳「もっと改善を」
3点目の起点となるパスを出すなど、この日も勝利に貢献した酒井 シーズン終了まで今節を入れて残り5試合。各チームとも、目指すところへラストスパートを始めている。この日、ホームにシュツットガルトを迎えたアウフスブルクが目指すのは1部残留だ。勝てない時期が続いた前半戦に比べ、負けなくなってきた後半戦。明らかに街が盛り上がっている。当日券を求めてスタジアムに詰めかける人々も増え、活気に満ちている。
チームが見せる試合内容が日を追うごとに向上すると、スタジアムの雰囲気も試合を後押しするものへと変わり始めた。クラブ史上初めて1部を経験し、街の人々は昇格したことだけで満足していた時期もあった。だが現実に可能性が見え始めたことで、ファンは強く残留を願うようになった。駅からスタジアムまでの移動風景や観戦風景を眺めるだけでもそんな様子が伝わってくる。
試合は、アウフスブルクが気合いの入った積極的な立ち上がりを見せた。前半5分にはPKから先制。24分にCKから同点とされるまではペースを握っていた。たが、その後はシュツットガルトが立て直す。懸命のプレスが追いつかなくなり、スペースと時間を与えてしまうと、個の力で勝るシュツットガルトに分があった。
相手のエース封じを命じられることの多い細貝萌が、この日は力なく振り返る。
「中盤で28番(ハイナル)を見るはずだったが、彼はうまくボランチの位置まで引いてしまった。そこまで引かれるとプレッシャーにがつがつ行くわけにもいかず、うまくボールを散らされてしまった」
中央で攻撃の起点を作られると、現在好調のハルニク、イビセビッチを止めることはなかなか難しい。
「勝たないと残留はない」と、細貝の口調は厳しい。"引き分け""勝ち点"という表現ではなく、あくまで「勝たないと」と、細貝は変わらずに言い続ける。試合は終わってみれば1-3でアウフスブルクの完敗、それでもまだ15位と、自動的に残留できる順位につけている。
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