【CL】 5年連続準決勝進出。バルセロナとグアルディオラが貫く「クライフの哲学」
メッシとイニエスタのゴールでミランに3-1で勝利したバルサが準決勝進出を決めた チャンピオンズリーグ準々決勝のバルセロナ対ミランは、先週行なわれたファーストレグで、ミランのホームスタジアムであるサン・シーロの芝が3日前に植えられたばかりだったことが試合後に発覚した。十分に根付いていない、しかも伸びたままの芝では、バルサのパスサッカーはほとんど機能しなかった。
あのピッチコンディションがイタリア流の戦略だったのかどうかは憶測の域を出ないが、ミランのキャプテン、アンブロジーニは「バルサがいつもこんなグラウンドでやっていたら、毎回、5ゴールなんて決められないだろうよ」と0-0のドローで終えた第1戦後にコメントを出していた。
そして4月4日にカンプノウで行なわれたバルセロナホームのセカンドレグで、バルサはミランを3-1と圧倒し、堂々とチャンピオンズリーグ準決勝の切符を手に入れた。
この大会の前身であるチャンピオンズカップが作られたのは1955年、そして、現在のチャンピオンズリーグとしてのフォーマットが固まったのは1992年のことだが、どちらにしても5年連続で準決勝に進んだクラブは前例がなく、ジョゼップ・グアルディオラの率いるバルセロナは、再び歴史に新たな1ページを刻むことになった。
この試合でPKを2度決めたリオネル・メッシも同様で、この大会の1シーズンで14ゴールをマークした選手は過去に存在していない。※ルート・ファン・ニステルローイの12ゴールが最高だった
ここまで強いと可愛げがない、見ていて飽きる、などといった声も聞こえてきているが、そんな「スーパーバルサ」にも欠点がないわけではない。
もっと言えば、現在のバルサは実は弱点が多い。その一番の不安要素はなんといってもディフェンスだろう。まず、スタメンをはることのできる左サイドバックが現時点で不在だ。
エリック・アビダルの左サイドバックはチーム全体から信頼をうけていたが、彼は昨年、肝臓に腫瘍があることが明らかになった。その手術が無事終わって復帰した後、バルセロナはもうひとりのサイドバックのマックスウェルを今季の冬の移籍で放出。しかし、アビダルは先月、再び移植手術をするためにチームを離脱することになった。
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