【イタリア】限られた出場時間でキャプテンシー発揮、デル・ピエロの勇姿をこの目に
コッパ・イタリア準決勝第1戦はユベントスがミランに先勝。デル・ピエロは久々に先発を果たした「2011年3月11日という日を忘れることなどできはしない...」
3月10日、アレッサンドロ・デル・ピエロは、彼のオフィシャルサイトに日本への思いをこの書きだしで綴り始めた。そのメッセージは、思いやりと励ましが込められ、儀礼的なものではなく、彼自身の心から語られている。
繊細なのはボールタッチだけではない。世の中を感知するアンテナも敏感で、しかも行動力がある。大震災から数週間足らずで、彼はチャリティーTシャツによって義捐金を募るプロジェクトを始動した。多くの選手、マスコミ、ティフォージがこれに賛同し、被災者を想うイタリアサッカー界と日本をつなぐ最も大きな窓口となった。
影響力を持つ人間がとるアクションは多くの人を動かす。それは誰もが知るところだろう。しかし最近のデル・ピエロを見ていると、行動しないことが"意味ある行動"となるケースになりえることも彼はよく知っているように思わずにはいられない。
セリエAは27節を終了したが、デル・ピエロがスターティングメンバーに名を連ねたのはわずか3試合。昨年12月18日のノバーラ戦を最後にベンチスタートが続いている。ウォーミングアップをするだけで終わる試合も少なくない。途中交代でピッチに入ったのは12試合を数えるだけだ。しかもプレイ時間はラスト10~15分で、11日のジェノア戦では本職ではないCFの仕事を託された。
周囲は首をかしげる。「なぜデル・ピエロは黙ったままなのか?」
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