サッカーの「VARが長い」問題 誤審の歴史を知るベテランライターが指摘「はっきりとした、明白な間違い」を防ぐためにあるべき (3ページ目)
【「はっきりとした、明白な間違い」に再注目したい】
では、どこまでが常識の範囲なのか......。
現在のVARでやっているように赤や青のラインを引いて、爪先が(あるいは頭の先が)ほんの1センチ出ているかどうかを判定するのは常識なのか、それとも非常識なのか......。
もうひとつ、注目してほしい文言がJFAの「VARの実施手順-原則と実践および進め方」の最初に書いてある言葉だ。
「『はっきりとした、明白な間違い』または『見逃された重大な事象』があった場合にのみ主審を援助する」
僕は尋ねたい。スロー再生や静止画を使って、赤や青のラインを引かなければ判別できない程度の誤差が「はっきりとした、明白な間違い」だったり「見逃された重大な事象」なんだろうか?
肉眼の限界を超えてまで厳密に計測すべきものとは思えない。
つまり、オフサイド判定は基本的にピッチ上の主審、副審の判断に任せ、VARではスロー再生などせずにノーマル・スピードで見て明らかに相手競技者より前に出ていることがわかった場合だけ介入すればいいではないか。それより小さな誤差は「はっきりとした、明白な間違い」ではないのだから。
もうひとつ、現在のプロトコルではVARが介入できるのは「得点」「PK」「一発退場」「警告・退場の人間違い」の4つの事象に限定されている。規則を作った人も「何でもかでも介入すべきではない」と思ったから、4つの事象に限定したのだろう。
しかし、「はっきりとした、明白な間違い」なら、他の事象でも介入してもよいのではないか? たとえば、ゴールキックかコーナーか......。きわどく外れたシュートにDFやGKが触れたか、触れなかったか。なかなか肉眼では(主審の立ち位置によって)見極められない。そんな時は(映像で見ればすぐにわかるのだから)、VARの助言で判定を訂正してもいいではないか?
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