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森脇良太が選ぶ対戦して嫌だったFWトップ10「異次元」「駆け引き上手なポストプレー」に苦しめられた (3ページ目)

  • 菊地正典●取材・文 text by Kikuchi Masanori

【片手だけで跳ね除けられた】

4位 大久保嘉人(元ヴォルフスブルク、川崎フロンターレほか)

 川崎の嘉人さんのイメージが強烈に残っていますが、対戦していて嫌でしたね。ゴール前に入っていくすごさもありますけど、ミドルシュートも打てますし、シュートのバリエーションが豊富でした。ゴリゴリ仕掛けてくるのも嫌でしたね。ゴリゴリ来られると体力も奪われますし、キツい時にそういうプレーが出てくるのは相手にとってものすごく嫌です。

 プレーヤーとしてのテクニック、シュートセンスは抜群なんですけど、ちょっと怒りっぽいところがあるので(笑)。レフェリーからイエローカードをもらったりしていました。だけどあのエネルギーが嘉人さんのゴール量産にもつながっていたと思うので、エキサイトするのはひとつの大きな魅力だと思っています。

3位 ジュニーニョ(元川崎フロンターレ、鹿島アントラーズほか)

 ジュニーニョさんは強烈でしたね。スピードは異次元でした。1、2歩の加速が、目の前でリニアモーターカー......はまだ走っていないので見たことはないですけど(笑)、新幹線が走ったんじゃないかというくらいキュンと行ったので、ビックリしました。

 シュートセンスも抜群ですけど、右利きなのに左足で上げるクロスがめちゃくちゃ上手なんですよね。DF目線で言えば、右利きの選手が左サイドに入った時には、カットインからのシュートや右足のクロスが嫌なので、どちらかと言えば相手の右を切るんですけど、ジュニーニョさんは左足でピンポイントのクロスをあげられるので、異次元だなと。

 ジュニーニョさんとの対戦では、中盤でボールを持った時は冗談抜きで10メートルくらい間合いを取っていました。ゴール前でそれではやられるのでもうちょっと寄せますけど、それくらい怖い選手でした。

2位 フッキ(アトレチコ・ミネイロ)

 最初に川崎でプレーしている時に、キャンプで初めてフッキ選手を見ました。僕も当時は広島ユースでキャンプに帯同させてもらって、トップチームの試合にフッキ選手も出ていたんですけど、風格もプレーも28歳くらい。川崎がすごい選手を連れてきたと思ってメンバー表を見たら、「18歳!? 自分と同じ!? 嘘でしょ!?」って。こんな選手がJリーグにいて、自分はJリーガーとしてやっていけるのかと不安を抱きましたね。

 それから僕も広島でプロになって、1年目に試合に出られず愛媛FCに武者修行に行って初めて対戦しましたけど、筋肉がさらについていました。2、3人で行きましたけど、片手だけで跳ね除けられてゴール前に行かれたので、やっぱりJでやっていくのは大変だと思いました。

 ACLでは何年ぶりの対戦だったんだろう? 「もうやれるぞ」と思っていきましたけど、やられましたね。フッキ選手を止めるのは槙野(智章)くらい強靭なフィジカルがないと。僕も頑張って止めようとしましたけど大変でした。

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