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【Jリーグ】横浜F・マリノス低迷の背景にあるものとは 今季新体制に移行した名門クラブの誤算 (3ページ目)

  • 取材・文●舩木渉 text by Funaki Wataru

守備陣にケガ人が続出し、春には降格圏へ

 シーズンが開幕すると、マリノスは上海申花と上海海港を磐石の戦いで破り、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)のリーグステージを順調に突破する。そして公式戦9試合でわずか4失点と、課題だった守備面の改善には一定の成果が出た。ところが、攻撃の停滞感がどうしても拭えない。
 
 ボールを保持していても効果的に前進できるシーンはほとんど見られず、特にリーグ戦ではまともにシュートを打たせてもらえないまま勝利を逃す試合が続いた。するとACLEで準々決勝進出を決めた3月中旬以降、チームは泥沼にはまっていく。
 
 ACLEファイナルズ参戦のために、いくつかのリーグ戦が延期や前倒しになって週2試合ペースの連戦に突入すると、ローテーションを確立できなかったことの影響も出始めた。シーズン開幕からほとんど同じメンバーで連戦をこなすなかで、とりわけディフェンスラインに負傷者が続出。疲労によりパフォーマンスが低下した選手も増え、失点がかさんでいった。
 
 代表ウィーク明けの3月29日に行なわれたJ1第7節ファジアーノ岡山戦からの4試合で2分2敗と低迷し、マリノスはついに降格圏へ転落する。3-3で引き分けた4月9日のJ1第5節延期分・川崎フロンターレ戦では、守備陣をフル稼働で支えていたジェイソン・キニョーネスも負傷交代し、暗雲が立ち込めた。
 
 いよいよホーランド監督解任か......。そんな空気が生まれつつあったフロンターレ戦直後の4月10日、西野SDが報道陣の取材に応じる機会が設けられた。

(つづく)
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