検索

【高校サッカー】県24連覇、県内公式戦418連勝の青森山田をついに倒した! 野辺地西が初の全国の舞台インターハイに臨む (4ページ目)

  • 土屋雅史●取材・文 text by Tsuchiya Masashi

【待ちに待った全国の晴れ舞台】

「電話も鳴りっぱなしで、メールとSNSの通知も止まらなくて、あんなにすごいのは人生で初めてです。LINEも未読数が500件ぐらいいったんじゃないですか。いやあ、すごかったですね」

 優勝直後のことをそう振り返る三上監督は、最近もうれしいことがあったという。

「昨日郵便局に行ったら、受付の女性の方に『三上先生、全国大会の試合、見に行きますよ』と声を掛けられましたし、反響は大きいですよね。みんな喜んでくれているので、その期待に応えないといけないなと思います」

 7月26日に開幕するインターハイ。シードとなった八戸学院野辺地西は2回戦からの登場だが、対戦するのは丸岡(福井)対大津(熊本)の勝者。大津は昨季のプレミアリーグ王者であり、今大会も優勝候補の一角に挙げられる全国屈指の強豪だ。

 キャプテンの藤田が、全国大会に向けて語った抱負が印象深い。

「今までは『青森の高校サッカーと言えば山田でしょ』というのが世の中の常識みたいになっていたと思うんですよ。今回でそういうものを覆せたので、全国にも影響を与えていけると思いますし、全国でも1回戦(※初戦の意)で負けてしまっては、『山田のほうがよかったね』となってしまうので、自分たちが決勝以上のゲームをして、野西の底力を見せたいです。そうすれば野西も全国に認められるはずですし、山田さんに勝ったあとの自分たちの結果にフォーカスして、より一層頑張っていきたいなと思っています」

 就任22年目で初の全国大会の指揮を執る三上監督も、実に地に足がついている。

「選手権につなげるために、いろいろなものを吸収して帰ってきたいので、1試合より2試合、2試合より3試合できればとは考えています。公式戦で真剣勝負できるという意味でも非常に有意義な大会ですし、ここで彼らは引退ではないので、目先の結果だけにとらわれずに、経験を積んで、成長して帰ってきたいというのが一番ですね」

 待ちに待った全国の晴れ舞台。正真正銘の青森県代表。八戸学院野辺地西は多くの人たちへの感謝を胸に、真夏の福島を熱く戦い抜く。

著者プロフィール

  • 土屋雅史

    土屋雅史 (つちや・まさし)

    1979年生まれ。群馬県出身。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。近著に「高校サッカー 新時代を戦う監督たち」(東洋館出版)

【写真&選手紹介】高校サッカーインターハイ2025注目選手フォトギャラリー

4 / 4

キーワード

このページのトップに戻る