【クラブワールドカップ】モンテレイの選手たちが語る浦和レッズ戦 「私たちの完全勝利だ」 (4ページ目)
【今大会の浦和の敗因は?】
浦和は戦術でも劣っていた。結局、リーベル・プレート戦とインテル戦から何も学んではいなかった。モンテレイに対して、DFは抜かれ、中盤は守備を助けず敵に多くのスペースを明け渡し、そのせいでFWはチームから切り離された幽霊のようだった。モンテレイは落ち着いてプレーするだけでよかった。なにしろ相手は自滅してくれるのだ。
今回の浦和のクラブワールドカップの敗因は大きく3つあったと筆者は思う。
1) 大きな国際大会を戦う準備不足
プレーではなく、戦略的に世界の強豪に立ち向かうだけの能力がなかった。たとえばリーベル戦では闘志が垣間見える時間帯もあったが、インテル戦ではまったくゼロ、一番弱いモンテレイに対してさえ、その対峙方法は未熟だった。
2) 戦術的な混乱
相手と同等の力がなければ、守備的にプレーするものだ。まず守って、カウンターで点を取る。もしくは引き分けに持ち込む。4-0で負けたのは果敢に攻めた結果なのかもしれないが、それは勝つための戦い方ではない。
3) 選手たちのクオリティ
凡ミスを多発する彼らは、これが本当に日本一のチームであるのかと首をかしげてしまった。DFは迷子になり、GKは前に出すぎ、FWはゴールにボールを入れることができず常に不安げだった。そして何より一番大事なスピリットがなかった。
チームは、スタジアム中を赤く染め、常に声援を送り世界を驚かせたサポーターたちを裏切ったと言える。それは私だけの意見ではない。アメリカやメキシコの記者も同じような感想を持っていた。
不思議なのは、前の2試合で失敗しても、それを改めようとしないのはなぜか、だ。監督も何かを変えようとはしていなかった。それは、自分たちはもっと強いと思っていたからなのか。それとも自分たちはこれ以上できないと、初めから諦めてしまっていたのか。私には後者のように思えた。
「自分たちは歯が立たない」
頭のどこかにそんな思いを抱きながらプレーをすれば、勝てる試合さえ勝てなくなる。
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