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【クラブワールドカップ】モンテレイの選手たちが語る浦和レッズ戦 「私たちの完全勝利だ」 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【ラモスが挙げた日本人選手の名前】

 チーム随一のビッグネーム、DFのセルヒオ・ラモスは浦和をこう評した。

「彼らのようなスピードのあるチームとの試合は、我々にとってとてもいい経験だった。集中力を維持し、誰ひとり軽視してはならないことを強いられた。彼らの攻撃を阻止するのは本当にハードだった。日本のアタッカーはボールを持っていない時でも、賢く動き、私のように経験豊富なベテランDFでもかなり苦労させられたよ」

 厄介だった選手として松尾佑介と渡邊凌磨の名前を挙げた。

「隙があれば攻め上がろうと虎視眈々とチャンスを狙っていた。ただ、試合前に過去の試合のビデオを見て、彼らの能力はわかっていたから、対処することができた。彼らを止めることができたのが、モンテレイにピッチでの優位をもたらしたと思う」

 そして、浦和のチームスピリットと情熱は「すべての選手にとってのお手本だ」とも称賛した。

「彼らのようなチームと対戦すると、サッカーには楽勝などは存在しないとあらためて気づかされるね。常に全力で戦い、集中力を保ち、相手を尊重しなければならない。浦和レッズは尊敬に値するチームで、今後、多くの人を驚かせていくだろう」

 もうひとつ印象に残っていたこととして、ラモスは浦和サポーターをあげた。

「スタジアムにすばらしい雰囲気を作り出し、結果がほぼ確定したあとも声を上げ続け、チームを応援していた」

 そして日本のサッカーについて、「成長している日本サッカーには、長年注目してきた。それに実は何度か、日本のチームから移籍のオファーを受けたことがあるんだよ」と明かしてくれた。

 一方、モンテレイのもうひとりのDFルイス・レイエスの感想は少し違っていた。

「4-0という結果だったが、簡単な試合ではなかった。浦和は質、粘り強さ、そして闘志を見せた」と言ったうえで、彼はこう続けた。

「リーベル(・プレート/アルゼンチン)とインテル(イタリア)の試合の彼らのパフォーマンスを見ていたから、難しい試合になることは覚悟していた。でも今日の試合では我々のスピードが逆に彼らを驚かしたと思う。日本の選手はフィジカル的に強いが、テクニカル面ではモンテレイのほうが上だった。たぶん我々が所属しているメキシコのリーガは、日本のリーグより厳しいものなんだろう。今日勝つことは我々の義務だったし、それを落ち着いて遂行することができた。彼らに"勝利"をイメージさせる余地すら与えなかったはずだ。今日は私たちの完全勝利だ」

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