【クラブワールドカップ】浦和レッズ3連敗で終幕。ピッチに立った選手は何を感じ取ったのか (3ページ目)
【どんどんシュートも打てばよかった】
また西川は、試合中に感じたことのひとつとして「対応力」を挙げた。
クラブワールドカップでは、Jリーグとは違うボールが使用されている。そのことに関しての質問が出た際、今大会のボールは遠くに飛ばすことや強いシュートに向いており、モンテレイ戦で関根に蹴ったロングボールは想定外に長くなったと、西川は説明する。そのような性質のボールに3戦目で慣れてきたのならば、もっとできることがあったはずと言う。
「こっちもどんどん、シュートを打てばよかった。いいシュートを持っている選手はいるので、もっと足を振るとか、入らなくてもシュートを打つことで、流れは変わるので。今後はそういう試合運びをリードしていきたいと思っています」
松本泰志はリーベル戦で80分から、インテル戦で79分から、ラストのモンテレイ戦で46分から出場した。対戦相手の印象を聞くと、実にシンプルだった。
「(ピッチの)外から見ていた感じでは、組織というよりも個の能力が高いと思いました」
モンテレイ戦では、前半に2本のミドルシュートを決められた。
「自分ではああいうのを打てないと思う。そこの能力の差だったり、シュートだけじゃなく、ボール運びや守備でも、(相手は)申し分なかったです。ドリブルも取れそうだなと思ったら、チョンと足が出てきたりして、そういう個人としての能力の差を感じました」
松本はクラブワールドカップを経験して、個人能力の差を痛感したようだ。
ワールドカップ最終予選の結果を見てもわかるとおり、日本代表のアジアでの実力は抜きん出ている。しかし、その結果を残しているメンツはほとんどが海外組で、優秀な日本人選手は国内を飛び出し、Jリーグは空洞化していると言われている。その問題が浮き彫りとなって、あらためて可視化されたような大会でもあった。
著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。
【画像】ワールドサッカー「新」スター名鑑
3 / 3