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【Jリーグ】序盤で明暗が分かれた各チームのポイントを福田正博が分析 『らしさ』を取り戻したのは? (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【巻き返しに期待のチーム】

 好スタートを切ったチームもあれば、残念ながらスタートダッシュに失敗したチームもある。

 2連覇中の王者・ヴィッセル神戸は第6節終了(5試合消化)時点の順位は16位。1勝3分け1敗と、引き分けが多く勝ち点3を奪いきれていない。大迫勇也、武藤嘉紀、酒井高徳という元日本代表組は健在で、ほかのメンバーの顔ぶれも変わらないものの、ここまでは補強をあまりしなかったマイナス面が出ているように感じる。

 メンバーの顔ぶれが変わらないのはコンビネーションなどで他クラブより優位性がある一方、新戦力がいないとチーム力が前年よりも上がりにくい側面がある。ただ、神戸は昨季も春先はスロースタートだった。計算が立つ選手が揃っているだけに心配はしていない。とはいえ、今後も取りこぼしが多くなるようだと、夏場に起爆剤を補強しなければ3連覇は難しくなるだろう。

 同じ関西勢ではガンバ大阪が3勝3敗で7位。悪くはないものの、今季のガンバには期待していただけに、少し肩透かしを食らった感じがする。そのガンバに開幕戦で勝利したセレッソ大阪は、その後は2分け3敗。ガンバよりももっと苦しい序盤戦になった。

 ほかにも横浜F・マリノスは1勝3分け1敗の15位。スティーブ・ホーランド新監督を迎え、ACLとの両立という難しさがあるとはいえ、あまりに寂しい結果だ。大型補強をした浦和レッズは17位とシーズン早々に苦悩し、名古屋グランパスは主力選手に故障者が相次ぎアルビレックス新潟とともにシーズン初勝利が未だなく、最下位に低迷している。

 横浜FM、浦和、名古屋の3チームは、J1の上位を争える規模のクラブなだけに、いち早くチームを立て直し、勝ち点を積み上げていってもらいたい。

 明暗の分かれた序盤戦だが、首位の鹿島から最下位の名古屋までの勝ち点差は、まだ11ポイント。上から下まで団子状態になるのが近年のJ1の特徴だけに、ここから先どんな波乱が待ち受けているのか。興味深い。

著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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