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【Jリーグ】序盤で明暗が分かれた各チームのポイントを福田正博が分析 『らしさ』を取り戻したのは? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【今季J1の注目点、特徴とは?】

 今季J1で注目していることのひとつが、率いるチームを変えた3人の監督だ。鹿島の鬼木監督は昨季までは川崎フロンターレ、その川崎は前アビスパ福岡の長谷部茂利監督に。そして前アルビレックス新潟の松橋力蔵監督はFC東京を率いている。

 意外だったのは川崎の長谷部監督だった。福岡時代のように守備に重点を置くサッカーをするのかと思っていたが、そうでもない。守備を整理しつつも攻撃面のよさを残している印象で、戦績は2勝2分け1敗の8位。勝ち点を積み重ねる視点で見れば、安定した戦いぶりだろう。これを継続できれば、もう少し上位に顔を出してくるはずだ。

 一方、FC東京の松橋監督は、結果だけを見れば2勝1分け3敗と苦しいスタートを切ったが、3バックでの戦いぶりには手応えも感じているのではと思う。もちろん、まだまだ監督の志向するサッカーが選手たちに浸透しきっていない部分はあるが、この戦いを続けていけば、リーグのなかでのFC東京の存在感を取り戻せるのではと思う。

 また、今のJ1の特徴のひとつに、3バックを敷いて前からプレッシャーをかける守備をするクラブの多さがある。そうしたクラブのなかで序盤戦から気を吐いているのが湘南ベルマーレだ。

 湘南は山口智監督のもとで、毎シーズン残留争いに巻き込まれてきた。シーズン前半で敗戦が重なって失った勝ち点を、後半戦の勝利で取り返す流れだ。

 これは言い換えれば、シーズン後半の戦いを翌シーズンの開幕から再現できていれば、本来はもっと上位に顔を出せたということでもある。それがついに実現したのが今季のスタートダッシュ。3勝2分け1敗の5位。山口体制で5季目を迎え、チームとしての戦い方が徹底されているうえに、ツートップの鈴木章斗、福田翔生がいい。

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