レッドブル傘下になったJ2昇格組の大宮が開幕から絶好調 元日本代表FW杉本健勇は「すべてのチームを食ってやる気持ち」 (2ページ目)
【J2トップの1試合平均シュート数】
続けて和田は言う。
「頭では理解できていますけれど、足を動かすところは、みんなすごい。自分はまだ自然じゃない。去年の夏に入った時は『一歩遅いな』と感じて、今もまだ半歩遅い。インテンシティとか球際とか切り替えとか、みんな身体に染みついている。プログラミングされていて、頭で考えずに身体が動いているんですよ」
この34歳は、アカデミーを過ごした東京ヴェルディでプロとなり、ベガルタ仙台、サンフレッチェ広島、横浜F・マリノス、横浜FCに在籍してきた。豊富な経験が裏打ちするその眼が、好調の要因を解き明かす。
「去年のシーズンはJ3だったので、開幕前はJ2での自分たちの立ち位置がちょっと図りにくかったんですけど、ここまでの数試合でみんながそれをつかんでいる。カテゴリーが変わってレベルが上がったところに対しても、自分らが積み上げてきたものがどれくらい通用するのかも、もうすっかりつかんでいる。それがそのまま、結果に出ている印象ですね」
そう言って和田は、「トレンド」という言葉を持ち出した。
「このチームは、徹さんもそうだし、レッドブルというグループもそうだし、トレンドをうまくつかみながら成長しているな、と感じます」
第4節までのデータで、RB大宮の平均ボール支配率はリーグで14位に位置する。1試合平均パス数はリーグ11位だ。
それでいて、攻撃力の裏づけとなるデータは軒並み高い。
シュート総数・1試合平均シュート数はRB大宮の単独1位。チャンスクリエイト総数は、リーグ屈指の攻撃力を持つV・ファーレン長崎と並んで1位タイだ。枠内シュート総数は、その長崎に次いで2位タイである。
ライプティヒが示すように、レッドブルのグローバルネットワークの哲学はポゼッションありきではなく、守備に軸足を置くことでもない。攻守において高強度にプレーし、ボールを持つことも、カウンターを放つこともできるサッカーだ。長澤監督はそれを「第3の立ち位置」と表現するが、まさにそのとおりのデータが並んでいる。
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