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【Jリーグ】柏レイソル指揮官リカルド・ロドリゲスは名将か 監督選びの根拠が薄弱すぎる (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【監督経験が少ないまま迎えられる外国人監督】

 では、リカルドは崇め奉るほどの指揮官か?

 リカルドはスペイン国内での監督実績は乏しい。率いていたのは4部のチームが多く、2部ジローナではシーズン半分ももたずに解任されている。マラガ時代には、スポーツダイレクターとして1部に昇格、残留させた実績もあるように、目利きではあるが。

 彼が監督としてのキャリアを形成したのは、皮肉にも徳島ヴォルティス、浦和レッズ、そして柏と、Jリーグなのである。

 実はこうしたケースは他にもある。スペイン人監督のアルベル・プッチ(元アルビレックス新潟、FC東京)、ダニエル・ポヤトス(現ガンバ大阪、元徳島ヴォルテス)はリカルド以上にスペインでの監督経験がないが、長期プランで迎えられた。

 クラブはなぜ日本人監督に投資せず、無名の外国人監督にチームを任せるのか。納得できる実績がないにもかかわらず......。

 たとえば昨今の横浜F・マリノスはハリー・キューウェル、ジョン・ハッチソン、スティーブ・ホランドと、せいぜいリザーブチームの監督しかやったことがない人物に指揮権を与えている。キューウェルは選手時代の名声が豊富で、他もコーチとして在籍したクラブは立派だったが、監督としては素人同然だった。

「続けてもらえば成果が出る」とも言われたが、まるで呪文で、日本人に根強くある外国人コンプレックスかのようだった。

 浦和レッズがマチェイ・スコルジャを呼び戻し、セレッソ大阪がアーサー・パパスを新たに招聘した理由をどう説明するのか。彼らは見識に優れた人物だろうが、監督選びの根拠は曖昧だ。

 これは選ぶ側の問題だろう。どういうサッカーがしたくて、どんな監督を呼び、それに合った選手を集めるか。その一貫性のあるチームがJリーグには少ない。必然的に監督も「ハズレ」が増える。

 昨シーズン、FC町田ゼルビアが躍進し、黒田剛監督は話題の人になった。多くの批判を受けたが、彼は"監督のなかの監督"と言える。高校年代とは言え、数十年に渡って監督として責任を背負い、勝負の最前線に立ってきたのだ。

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