ガンバ大阪・名和田我空、スカウトが認める天賦の才「ゴールを決める星のもとに生まれた選手」 (3ページ目)
背番号は「38」に決まった。ガンバではかつて、堂安律(SCフライブルク)や中村敬斗(スタッド・ランス)が背負った番号だ。
「正直、そこまで番号にこだわりはないですけど、いざ番号を決める時に、神村学園高のエース番号で、僕も背負った14もいいかなとか、10番も好きだなとは考えたんです。でも、10番は(倉田)秋くんの番号だし、14番は(東京ヴェルディに移籍した福田)湧矢くんから(山田)康太くんへって流れがあったので。それなら、小学1年生の時からつけてきた42もいいかなと思ったんですけど、最終的には偉大な先輩たちがつけた38になりました」
ちなみに、名前が挙がった倉田には小学生の時に、宮崎キャンプでサインをもらったという思い出も。その事実を最近、ふと思い出したらしく「それがガンバへの加入の決め手になった......と言えば美しいけど、そうじゃない」と笑った。
「ガンバが宮崎キャンプに来ているって聞いて、友だちと練習を見にいったんです。ガンバが三冠に輝いた年なので2014年です。ヤットさん(遠藤保仁コーチ)やパトリック(ツエーゲン金沢)、今野さん(泰幸/南葛SC)らがいたなかで、貴史くんと秋くんにサインをもらいました!
ちょうど先日、地元に帰った時に、当時一緒にキャンプを見に行った友だちに会って、その話になって。『だからガンバを選んだのかと思った』って言われたんですけど、全然関係ない、と(笑)。ただ、何かの見えない縁では繋がっていたのかもしれない。サインをもらった選手と一緒にプレーをしているのもなんか、不思議な感じがします」
遠い未来には"世界"や"ワールドカップ"も描いているが、目下の目標は、1日も早く公式戦の舞台に立つことと、勝利の"ガンバクラップ"をすること。そのために「どこまでも成長し続けたい」と力を込める。
そういえば、前述の青木スカウトに名和田の人となりについて尋ねた際、「物怖じしないし、サッカーに向き合うメンタリティもすごくいい」という言葉とともに「実は意外と面白い」と聞いていたことを思い出し、取材の最後に初めての"関西"には馴染めそうかと尋ねたら、なるほど、と思う返事が返ってきた。
「関西のノリは好きなんですけど、生まれて一度も『ホンマ?』って言ったことがなかったし、『〜やで』も初めて生で聞いて、ちょっと感動しています(笑)。ま、僕もめっちゃ訛っているとは思いますけど」
肝が据わった堂々たるプレーぶりとは対照的な、素顔が少し覗いた。
(おわり)
名和田我空(なわた・がく)
2006年7月29日生まれ。宮崎県出身。2025年、神村学園高から鳴り物入りでガンバ大阪に入団。プロ1年目からの活躍が期待される。世代別代表でも力を発揮。U-17日本代表では、2023年U-17アジアカップでの優勝に貢献。U-17W杯にも出場した。
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